インターンシップ

2026年インターンシップ募集

(2025年12月05日 更新)

短い要約

この応募はこちらから提出してください。締切は2026年1月31日 23:59 AoE（地球上のどこでも）です。
来年の夏にあなたをお迎えできるのを楽しみにしています！

背景

IIJ技術研究所はインターネットにおける最先端の研究と技術開発をおこなっています。これまで、研究所はWIDEプロジェクトと密接に協力しながら、IPv6の標準化作業とBSDオペレーティングシステムでの実装(KAMEプロジェクト)に注力してきました。また、WIDEプロジェクトのMAWI WGと協力しながら国際的なインターネットトラフィック計測に関する研究開発を主導しています。近年では、インターネットバックボーンの経路制御情報を安全にやりとりするための技術開発、エコロジカルなデータセンターを実現するための技術やクラウド技術などにも取り組んでいます。

研究所では我々と研究開発活動をおこない、一緒に研究プロジェクトを前進させていただける、やる気のあるインターンを募集しています。インターンシッププログラムに参加することで、高品質な研究開発活動を経験し、最先端の研究者との交流の機会を持ち、また同じ志を持つ他のインターンとの議論を通して、将来の研究活動の大きな糧を得ることが期待されます。

目次

• 報酬と労働条件
• 応募に関する情報
• インターンを募集しているプロジェクト
  • ・世界最速級キーバリューストレージサーバー開発
  • ・セキュリティとフォールトトレランス
  • ・Internet Health Report
• 過去のプログラム参加メンバー

報酬と労働条件

IIJ技術研究所は、インターネットにフォーカスした他では得難い研究開発活動の経験に加え、能力に準じた給与と快適な研究開発環境を提供します。

• 給与: 月給25万円
• 勤務地: 本社（東京都千代田区）
• 勤務時間：始業9：00 終業17：30を基本とし、本人の決定に委ねる。（裁量労働制）
  • 休憩時間：60分
• 休日：土曜、日曜、祝日
• 期間: 2ヶ月（7～8月 又は8～9月）
• 諸手当
  • 通勤手当：支給あり
  • 時間外手当 及び リモートワーク手当：支給なし
• 旅費: 手配あり（会社負担）
• 宿泊施設: 手配あり（会社負担）
  *但し、自宅から通勤可能な場合はなし
• 労災保険: 加入あり
• 社会保険: 加入なし

応募に関する情報

• インターン期間中に国内外の大学に在学している修士課程以上の学生が対象です。その他必要な条件については、各プロジェクト案内をご参照ください。
• IIJ技術研究所でインターンとして1ヶ月あるいは2ヶ月間、研究開発活動に従事していただきます。
• インターンに応募される場合は、以下の書類を申し込みページでお送りください。
  • ・履歴書 (あるいはCV)
  • ・ポジションペーパー
  • ・応募したいプロジェクト
  また、以下のものが用意できれば一緒にお送りください。
  • ・推薦状
  • ・代表的な発表論文を数本
  別途面接 (Teams、Zoomなどによる遠隔面接可) を実施した後に、採否をご連絡いたします。
• 応募は2026年1月31日に締め切りますが、それに先駆けて、1月からインタビューなどによる採用の検討を開始します。早期に応募した方が先に評価される場合が発生しますので、なるべく早い応募をお勧めします。
• ご質問のある方はinternship@iij.ad.jpまでご連絡ください。送信前に宛先をご確認ください。

インターンを募集しているプロジェクト

世界最速級キーバリューストレージサーバー開発

Objectives

IIJ 技術研究所では世界最速級のキーバリューストレージサーバーの開発に取り組んでいます。以下のグラフは広く一般的に利用されている memcached（棒グラフ memcached の値）と比較して開発中の memcached 互換サーバー（棒グラフ mimicached の値）が大幅に高い応答性能を達成できることを示すものです。計測内容の詳細はこちらをご参照ください。この性能の向上により、各環境における目標性能達成のために必要な計算リソースを大きく削減することができると考えています。

性能の秘訣：上のグラフに示される性能の向上の大部分は、iip という TCP/IP スタック実装によるものです。iip の詳細については SIGCOMM CCR から発表されている論文もしくは GitHub 上の著者用コピーをご参照ください。開発担当者の手元で行なった実験では、広く一般的に利用されているカーネル空間の TCP/IP スタック実装および他の最先端の性能に最適化された実装と比較して、iip が更に高い性能を発揮する結果を観測しています。
既存の実装における性能の制限：上のグラフの実験では、一般的に利用される TCP/IP スタックが小さなメッセージを往復させる場合の性能は１CPU コア利用時には概ね１秒間に 250,000 往復、また、32 の CPU コアを利用した場合には秒間約 5,000,000 往復でした（折れ線グラフ Limit of default TCP/IP stack の値）。memcached のような TCP/IP 通信を通して応答を行うプログラムにとって、これらの値は１秒間に応答可能なリクエスト数の限界を示すものです。
開発中の実装の場合：一方で、iip が小さいTCPメッセージを往復する場合には１CPU コアだけで秒間約 3,000,000 往復が可能であり、32 CPU コアを利用する場合には秒間約 70,000,000 往復まで性能をスケールさせることができます（折れ線グラフ Limit of iip の値）。iip は、TCP/IP スタック実装が memcached のようなアプリケーションへ課す性能限界を大幅に引き上げ、結果として、グラフに示されるような memcached 互換サーバー性能を実現します。
インターンシッププログラムの目標：現在の実装は一定の機能は保持しているものの、まだ開発の初期段階にあるため、改善の余地が大きくあるものと考えています。特に、TCP/IP スタック性能の向上の結果、キーバリューストレージサーバーを構成する各機能のために費やされる実行時間の割合が変わるとともに、通信以外の箇所の実行効率の性能への影響が大きくなったことから、これまでには顕在化してこなかった新しい研究課題に取り組む必要があると考えており、それら課題に一緒に取り組んでくださる方を募集いたします。具体的なテーマは、インターンシップに参加される方の興味とスキルをもとに選択することを予定しています。

Host Researchers

• 安形 憲一

セキュリティとフォールトトレランス

目標

セキュリティリスク（データの改ざん、情報漏えいなど）と障害（クラッシュ、設定エラーなど）は、インターネット上で稼働する分散システムでは一般的です。このため、セキュリティリスクを制限し、障害が発生してもシステムの可用性を維持しながら、良好なスケーラビリティとパフォーマンス特性を示すソリューションを提供することが必要です。 このインターンシップの目標は二つあります：（i）進行中の研究を支援すること、（ii）選ばれた候補者の研究およびコーディングスキルを向上させることです。
このプロジェクトは、トップレベルの国際会議での発表やオープンソースプロジェクトへの貢献につながる可能性があります。

可能なトピックには

• 新しいトラステッド実行環境（RISC-V、Gem5シミュレーター、FPGA）の開発
• 機密VMベースのシステム（Intel TDX）のパフォーマンスとセキュリティの向上

Qualifications

候補者は良好なプログラミングスキル（C/C++またはRust）を持ち、 トラステッド実行環境に関する経験があることが望ましいです。 プロセッサアーキテクチャやFPGA開発の経験があれば尚良いです。 また、候補者は英語での口頭および文書によるコミュニケーションスキルも 優れている必要があります。

指導研究者

• オブラン　ピエールルイ

Internet Health Report

Objectives

The Internet Health Report (IHR, https://ihr.iijlab.net/) is an open-source observatory for the Internet. It leverages data collected by large measurement platforms (e.g. RIPE Atlas, RIS, and RouteViews) to monitor in near-real time the Internet topology and numerous other datasets to document Internet resources (Internet Yellow Pages, https://iyp.iijlab.net). IHR is looking for talented students and skilled programmers to develop new analysis tools and improve the usability of existing tools. This is a great opportunity for students to work with our large datasets and develop practical and open source tools for network operators, researchers, and Internet users.

Possible topics include:

• IYP-based analysis or integration of new datasets into IYP
• Development of monitoring tools for large-scale measurement platforms (e.g. monitoring latencies or identify physical topology from traceroutes)

Qualifications

Candidates should have excellent computer networking background, good programming skills, and experience with data analysis. Candidate should have good oral and written communication skills in English.

Host Researcher

• Romain FONTUGNE
• Malte TASHIRO
• Dimitrios GIAKATOS

先輩からのメッセージ

Arun Dunna (2019年)

I thoroughly enjoyed my time at IIJII, and the process was enjoyable from the initial application through the end of the internship. After I applied, I had an engaging video interview with some team members, and we discussed my prior work and potential projects at IIJII. Throughout the whole process, IIJII made it a point to ensure that I would be working on a project that I took interest in, which could be changed even upon arrival. Kitamura-san made the typical nightmare of logistics a breeze, and promptly answered any questions I had not just about the internship, but about life in Tokyo.

Upon arrival in Tokyo, I was greeted by the lab and given time to get acclimated to Japan. The lab's atmosphere was both welcoming and engaging, and everyone in the lab made regular efforts to discuss my project and provide input/guidance if needed. The locations of the office and provided housing were phenomenal, and Kitamura-san explained how to use the public transport to get around the city.

Daily life in Japan itself was great, and I highly recommend it to expand world viewpoints, which is another benefit to the internship. As an intern, I was required to be in the lab for a set time range each day, but a generous lunch slot was included and the lab provided a quiet yet collaborative space to work. My advisors (Romain and Zach) were at the lab nearly every moment that I was, and were hands-on throughout the whole internship, including regular meetings, online and in-person discussions, and collaborative brainstorming. All lab members were incredibly knowledgeable and were happy to answer any questions that I had, or to provide input when requested.

Overall, IIJII made a daunting internship in a foreign culture an enjoyable breeze. I made sustainable professional connections and produced quality research work as a part of their team. I highly recommend applying to the internship - it has been one of the best decisions of my academic career. I still continue to collaborate with the IIJII group even months after the internship on a number of projects.

過去のプログラム参加メンバー

Year 2025

• Hidemasa Kawasaki, 立命館大学, 日本
• Leonhard Balduf, TU Darmstadt, ドイツ
• Giovanni Simone Sticca, Politecnico di Milano, イタリア

Year 2024

• Caleb Wang, Northwestern University, アメリカ
• Friedemann Lipphardt, Max Planck Institute for Informatics, ドイツ
• Nicola Di Cicco, Politecnico di Milano, イタリア
• Tobias Tomkinson, University of Auckland, ニュージーランド

2023年

• Vivian Band, University of Glasgow, スコットランド
• Deepak Gouda, Georgia Tech, アメリカ
• Jonathan Langlet, Queen Mary University of London, イギリス
• Arne Vogel, Friedrich-Alexander-Universität Erlangen-Nürnberg, ドイツ

2019年

• Arun Dunna, University of Massachusetts, アメリカ
• Aniketh Girish, Amrita University、インド
• Christoff Visser, The University of Waikato, ニュージーランド
• Talha Javed, National University of Science and Technology, パキスタン
• Federico Mulas, University of Pisa, イタリア
• Bénoît Nougnanke, Universite Toulouse Paul Sabatier, フランス

2018年

• Andreas Guillot, University of Strasbourg, フランス
• Shinyoung Cho, Stony Brook University, アメリカ
• Francois Michel, Universite Catholique de Louvain, フランス

2017年

• Cristina Georgiana Opriceana, Polytechnic University of Bucharest, ルーマニア
• Marc Anthony Warrior, Northwestern University, アメリカ
• Simone Ferlin, University of Oslo / Simula, ノルウェー
• Hoang Tran, Université catholique de Louvain, ベルギー

2016年

• Anant Shah, Colorado State University, アメリカ
• Argrios Tasiopoulos, University College London, イギリス
• Julien Gamba, University of Strasbourg, フランス
• Răzvan Certezeanu, Imperial College London, イギリス
• Stefano Tracà, Massachusetts Insitute of Technology, アメリカ

2015年

• Alessandro Puccetti, University of Pisa, イタリア
• Daniel Gröber, Leopold-Franzens-Universität Innsbruck, オーストリア
• Lachlan Kang, The University of Adelaide, オーストラリア
• Mijung Kim, Stony Brook, 韓国
• 金津 穂, 大阪大学, 日本
• 高際 兼一, 慶應義塾大学, 日本

2014年

• Daniele Iamartino, Politecnico di Milano, イタリア
• Gaëtan Briot, Université catholique de Louvain, ベルギー
• Tao Peng, University of Trento, イタリア
• Thomas Holterbach, University of Strasbourg, フランス

2013年

• David Hauweele, Université de Mons, ベルギー
• Yaser Jararweh, Jordan University of Science and Technology, ヨルダン
• Hyoyoung Lim, 名古屋大学, 日本
• Doudou Fall, 奈良先端科学技術大学院大学, 日本

2012年

• Andra Lutu, University Carlos III Madrid, スペイン
• David Lebrun, Université catholique de Louvain, ベルギー
• Julien Beaudaux, University of Strasbourg, フランス
• Nam Dang, 東京工業大学, 日本
• Zachary Bischof, Northwestern University, アメリカ
• 長谷川 皓一, 名古屋大学, 日本